杉山 葵がSketch Harmonyを立ち上げたのは2019年の春、渋谷のデザイン制作会社を退職した直後のことです。在職中は主に広告代理店案件のグラフィックを担当していましたが、クライアントと直接話せる機会がほとんどなく、何度も「なぜこのデザインなのか」を説明できないまま納品していました。その違和感が積み重なって、自分で最初から最後まで責任を持てる仕事の仕方を選びました。最初の半年は知人の紹介だけで食いつなぎ、事務所という名の自宅の一角でスケッチを描き続けていました。
01 すべての案件でスケッチを起点にする(デジタルから始めない)
転機は2020年の秋、中目黒の小さな食料品店のロゴ制作を依頼されたときです。予算は多くありませんでしたが、オーナーと週に一度会って話を聞き、スケッチを見せながら方向性を決めていくプロセスが、思いのほか機能しました。完成したロゴは今もその店の看板と紙袋に使われています。そのプロジェクトで「手で考えてから画面に移る」という順序の大切さを改めて確認し、以来すべての案件でスケッチを起点にするやり方を崩していません。
02 外注なし、杉山 葵が一人で最初から最後まで担当
03 修正回数と追加費用の条件を契約前に書面で明示
04 ロゴはAI・PDF・PNG・SVGの4形式で納品
杉山 葵は東京都出身のグラフィックデザイナー。多摩美術大学グラフィックデザイン学科を卒業後、渋谷の制作会社で広告グラフィックを6年間担当。2019年に独立し、Sketch Harmonyを設立。ロゴ・ブランディング・印刷物・Webを一人で手がける。スケッチから始めるプロセスにこだわり、毎朝コーヒーを淹れながら紙に向かうのが習慣。休日は古本屋めぐりが好きで、デザイン史の洋書を集めている。